伊坂氏の作品を読むのはこれが3冊目。1冊目は「ラッシュライフ」だったが、読後は何とも困惑した感想をもった記憶がある。2冊目は「アヒルと鴨・・・」で、こちらはもう少しすんなり読み、面白いとも思った。そしてこの作品。実は彼の最初の作品のようだが、パズル的に話を組み立てて、話が進むと共にたくさんの要素が繋がり、あるものが見えてくる、そういう話を語る手法は変わっていないようだ。

話の舞台は宮城県仙台市から離れた所にある荻島(フィクションの島; 日本本土には知られていない島という設定で、要はファンタジーの架空島)。目が覚めると仙台から荻島に連れてこられていた伊藤。仙台で問題があったので、すぐに帰る事も考えられない伊藤が、荻島の不思議な住人達、そして優午、に出会う。

彼の話の進め方はある意味面白く、読み進むのが楽しい。設定がシュールな分、登場人物にそんなに深みが無くとも面白く読めた。私は普段はスリラー/サスペンス作品でも登場人物や社会設定などに深く埋め込まれた話がある作品が好みで、『殺人犯は誰？』的な話はあんまり好みでは無いのだが、こういう推理的作品もたまには悪くない。 ( )

2008/07/18
なんかファンタジーというか絵本というか、不思議な話。ミステリなのか、どういう話だとちょっと前ふりが長くないか、と思いつつも、読後感がよし。謎がいくつか残ったので再度調べ中。 ( )